白いヴの為の美姫や


「父上がわたしの側室に逢うなど、珍しいこともあるものだね。どんな方だ?」

物言いたげな小姓に話を振ってみた。

「なんでも、東洋からいらした方だそうですよ。夜陰に肌肉 線條紛れて運び……いえ、お越しになったそうで、私どもも早く御姿を拝見したいものです。」

「……東洋?まさか……」

どうやら自分を心配しているのは、本心からのようだと雪華は認めた。



再会できたはいいけれど、どうやらかどわかされてきた模様です。
ちゃんと仲直りできるかな……


抗ったせいで、衣服は破れ髪も乱れていた。サクルはそっと自ら着衣を直してやり、血のにじんだ手の甲の傷が深くないのを確かめると安心したように、良かったとため息を吐いた。
優しく労わるサクルを、雪華は見つめていた。

「言っておくが、この国に嫁ぐ気はない。後宮にはあなた新陳代謝慢一人美少年が大勢いるそうだから、伽の相手にはことかかないだろう?ぼくにはやりたいことが有るんだ。」

「どうすれば君を手に入れられるのか、笑いかけてもらえるのか、ずっとわからなかった。だから君を金で買おうと思った。でも……、今ならわかる。君が欲しかったのは物ではなかったのだね。ただのサクルとして心が求めるままに、素直に接すれば良かった。胸を裂いて、君に本心を見せられたらと思うよ。そうすれば君にも、わたしがわかる。」

「困ったなぁ……」

由綺哉は手を伸ばし、サクルの頬を挟んだ。

「いつか会いに来ようと思っていたのに。突然現れて、うんと驚かせるつもりだったのに……予定が狂ってしまった。」

「え……?」

「逢いたかったと言ったんだ。」

ぷいと横を向いた由綺哉の頬は、染まっていた。やがてェールをずらして首に巻いた最愛の男は、指を伸ばすと迷った挙句、自分からサクルに触れた。
サクルに向き合い、上に羽織った金糸のビシュト(ローブのような上着)を滑らせ長いトウグ(民族衣装)の襟元にそっと手を入れた悩ましい由綺哉の姿を、人払いされた居屋二按お付きのものが見たら、おそらく卒倒したに違いない。

「ぼくにも、サクルが必要だ。」

「ゆ……由綺哉。」

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